gの金で森の中を馬車で散歩するなどとは、愉快なことだと思っていた。――そしてそれは明らかに、また三人一様の考えだった。彼らはこの事件を、費用のかからない遊山《ゆさん》だと見なしていた。だれも決闘に重きをおいてはしなかった。それにまた皆落ち着き払って、あらゆる不慮の出来事をも覚悟していた。
 彼らは相手方よりも先に約束の場所へ到着した。それは森の奥の小さな飲食店だった。パリー人らがその名誉を洗い清めに来る、やや不潔な遊び場所だった。生籬《いけがき》には清い野薔薇《のばら》が花を開いていた。青銅色の葉をつけてる樫《かし》の木立の陰に、小さなテーブルが設けられていた。三人の自転車乗りがその一つに陣取っていた。一人は白粉をぬりたてた女で、半ズボンに黒い半|靴下《くつした》をはいていた。他の二人はフランネルの服をつけた男で、暑さにうんざりして、言葉を忘れたかのようにときどき唸《うな》り声を出していた。
 馬車がついたのでその飲食店はちょっとこたごたした。グージャールはずっと以前からその家と人々とを知っていたので、自分がすべて引き受けると言った。バールトはクリストフを青葉|棚《だな》の下へ引っ張っ
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