ス。そして、彼らがいかに自分にたいして無関心でいるかを知った。バールト教授は、何時ごろこの片がつくかを考え、国民文庫[#「国民文庫」に傍点]の原稿のために始めていた仕事をその日のうちに終えられるくらいに、家に帰れるかどうかと考えていた。それでもクリストフの三人の連れのうちでは、ゲルマンの自負心から決闘の結果をもっとも気づかってる人だった。グージャールのほうは、クリストフのこともも一人のドイツ人のことも念頭に置かずに、猥褻《わいせつ》心理の露骨な問題について医者のジュリアンと話していた。このジュリアンは、トゥールーズ生まれの若い医者で、最近クリストフと同階の隣人となり、ときどきアルコールランプや雨傘《あまがさ》やコーヒー皿《ざら》などを借りに来ては、いつもこわして返すのだった。その代わりには無料で診察をしてやり、いろいろの薬剤をすすめ、そして彼の率直な性質を面白がっていた。スペインの貴族みたいなその冷静さの下には、絶えざる嘲弄《ちょうろう》が潜んでいた。彼はこの決闘事件をひどく面白がり、それを道化じみたものと思っていた。そして前もって、クリストフの無器用さを当てにしていた。人のよいクラフ
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