イろ出入りしていたストゥヴァン家の人たちを知っていた。そして彼もまたコレットに心ひかれていた。クリストフがその旧知の女の友の取り巻き連中の中でオリヴィエに出会わなかったのは、ちょうどそのころオリヴィエが姉の死にがっかりして、喪にこもってだれにも会わなかったからである。コレットのほうではオリヴィエに会おうとも努めなかった。彼女はオリヴィエを好きだったが、不幸な人を嫌《きら》いだった。自分は感じやすくて悲哀を見るに堪えないと思っていた。オリヴィエの悲しみが過ぎ去るのを待っていた。そして、彼の気持が回復してもうその悲しみに感染するの危険がなさそうだと知ったとき、思い切って呼び寄せてみた。オリヴィエはすぐに応じた。彼は人|馴《な》れないところがあるとともにまた、誘惑されやすい社交的なところがあった。そのうえコレットにたいしては弱味があった。彼はクリストフに、またコレットのもとへ出入りするつもりであることを告げた。クリストフは友の自由を束縛したくなかったので、少しも異議を唱えないで、ただ肩をそびやかした。そして揶揄《やゆ》的な様子で言った。
「面白いなら行くがいいよ。」
彼はオリヴィエについて
前へ
次へ
全333ページ中179ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
豊島 与志雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング