Bエは嘆息した、「たがいに理解するのは実に困難なことだ!」
「だが、いつも理解し合う必要があるだろうか。」とクリストフは言った。「僕はそんなことはあきらめた。たがいに愛し合いさえすればいいのだ。」
それらの些細《ささい》な不和を、その後二人は、細やかな愛情で直そうと考えついたので、そのためにたがいにますます親愛の度を加えた。不和の場合には、オリヴィエの眼の中にアントアネットの姿が現われてきた。二人の友は女のような心づかいをたがいに示した。オリヴィエの祝い日には、クリストフはかならず、彼にささげた作品や、または、花、菓子、贈り物などでそれを祝った。どうして買ってきたかはわからなかった――(なぜなら、家には金のないことがしばしばだったから。)――オリヴィエのほうでは、クリストフの総譜を夜ひそかに写し直しては、眼をくぼましていた。
人間の誤解は、第三者がはいり込んで来ないかぎりは、けっして重大なことではない。――しかし、いつかは第三者がきっとはいり込んで来るものである。この世ではあまりに多くの人が、他人の事柄を気にして、他人を不和ならしめようとしている。
オリヴィエは、クリストフが先
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