同士も厳重に戸を閉ざして、隣り合って暮らしていた。ただクリストフだけが、膨張したくてたまらず生気にあふれていたので、向こう見ずなしかも洞察《どうさつ》的な広い同情の念で、彼らから知られないまに彼らを皆包み込んでいた。彼は彼らを理解してはいなかった。理解する方法がなかった。彼にはオリヴィエのような心理的知力が欠けていた。しかし彼は彼らを愛していた。本能的に彼らの地位に身を置いていた。すると徐々にある神秘な作用で、それらの近いしかも遠い生活がぼんやり彼の心に映ってきた。喪に沈んでる女の深く淀《よど》んでる悲しみ、牧師やユダヤ人や技師や革命家などの傲慢《ごうまん》な思想の隠忍な沈黙、アルノー夫妻の心を音もなく焼きつくしてる愛情と信念との蒼白《あおじろ》い静かな炎、民衆の一人が光明にたいしていだいてる率直な憧憬《どうけい》、将校が胸に秘めてる抑圧された反抗心と無益な行動、リラの花陰で夢想してる若い女のあきらめきった静安。それらの魂の無言の音楽は、クリストフだけが見通すことができた。彼らにはその音楽が聞こえなかった。彼らはそれぞれ自分の悲哀や夢想のうちにとらわれていた。
 もとより彼らは、懐疑家
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