きを最後にもたらしてきた使者の田舎《いなか》娘を、彼はじっと見送った。
 彼女の姿が見えなくなると、彼はこんどこそまったく異境の孤客となった。彼は母の手紙と恋しい肩掛とを手にしていた。肩掛を胸に抱きしめて、それから手紙を開こうとした。しかし彼の手は震えた。いかなることが読まれるだろうか? いかなる苦しみをそこに見出すだろうか?……いや、すでに聞こえるような気がするその悲しいとがめには、堪えることができないだろう。引き返して帰ることにしよう。
 彼はついに手紙を開いた。そして読んだ。

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 私の憐《あわ》れな子よ、私のことを心配しないでください。私は物わかりよくしましょう。神様が私を罰せられたのです。私は自分のためばかりを思ってお前を引き止めてはいけないのでした。パリーへお行きなさい。たぶんその方がお前のためにはいいでしょう。私のことは気にしないでください。どうにかやってゆくことができます。いちばん肝心なのは、お前が幸福であることです。私はお前を抱擁します。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]母より
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できる時には手紙をください。

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