四歳の少女で、頬《ほお》がふくれ、太っちょで、林檎《りんご》のように真赤な色をし、反《そ》り返った太い短い鼻、大きな口、濃い縮み髪を頭に束ねていた。なおよくながめると、自分のによく似た古|鞄《かばん》を手にさげてることがわかった。彼女の方もまた、雀《すずめ》のように彼を横目にうかがっていた。そして彼からながめられてることを見て取ると、彼の方へ数歩寄ってきた。しかし彼の正面につっ立ったまま、一言も言わないで、廿日鼠《はつかねずみ》のような小さい眼で彼の顔をのぞき込んだ。クリストフは思い出した。ロールヘンの家の牛飼いの少女だった。彼は鞄を指《ゆびさ》しながら言った。
「僕へだろう、ね?」
少女は身動きもしなかった。そしてとぼけた様子で答えた。
「どうですか。いったいどこからいらしたの。」
「ブイルから。」
「鞄を送った人はだれですか。」
「ロールヘンだ。さあ渡してくれ。」
娘は鞄を差し出した。
「はい!」
そして彼女は言い添えた。
「ああ、すぐにあなたとわかったわ。」
「では何を待っていたんだい。」
「あなただとおっしゃるのを待ってたの。」
「そしてロールヘンは?」とクリストフは尋ね
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