青痣《あおあざ》ができた者があるばかりで、大した害も被っていなかった。しかし兵士らの方はそうでなかった。三人の者は重傷を受けていた。眼を焼かれ肩を半ば斧《おの》で切り取られてる大男、腹をえぐられてあえいでる男、クリストフからなぐり倒された下士。人々はその三人を、炉のそばに横たえておいた。最も軽傷な下士が眼を見開いた。取り巻いてのぞき込んでる百姓らを、憎悪《ぞうお》のこもった眼つきでじっとながめ回した。そして出来事を思い出すや否や、彼らをののしり始めた。復讐《ふくしゅう》をし思い知らしてやるぞと断言し、怒りに喉《のど》をつまらしていた。できるならみなごろしにしてやるつもりでいることが、それと感ぜられた。人々はつとめて笑った。しかしそれは強《し》いて装《よそお》った笑いだった。一人の若い百姓は、負傷者に叫びつけた。
「黙れ、黙らなきゃぶち殺すぞ!」
 下士は起き上がろうとした。口をきいた男を、血走った眼で見すえながら言った。
「野郎め、殺してみろ! 貴様らの首も取ってやる。」
 彼は怒鳴りつづけた。腹をえぐられた男は、血をしぼられる豚のように鋭い叫びを挙げていた。三番目の男は身動きもしない
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