兵士らは殺戮《さつりく》の叫びを発しながら、あらゆる人家に闖入《ちんにゅう》して、あらゆる狼藉《ろうぜき》を働こうとした。百姓らは棒を持って追っかけ、荒れ犬をけしかけていた。第三の兵士が、三叉《みつまた》に腹を刺されて倒れた。他の兵士らは村から追い出されて、逃げ出すよりほかに仕方がなかった。畑を横ぎって逃げながら、仲間を集めてじきにもどってくるぞと、遠くから叫んでいた。
 百姓らは陣地を手中に収めて、飲食店へ帰ってきた。彼らは雀躍《こおどり》して喜んでいた。被《こうむ》っていた迫害の意趣晴らしを、久しく期待していたのが今得られたのであった。争闘の結果にはまだ思い及ぼしていなかった。皆一度に口をきいて、各自に勇気を誇っていた。彼らはクリストフに親密な様子を見せた。クリストフは彼らに近づいた心地がしてうれしかった。ロールヘンは彼のところへ行って手を取り、その鼻先で笑いながら、自分の硬《かた》い手の中に彼の手をしばらく握っていた。彼女はもう彼を滑稽《こっけい》だと思っていなかった。
 人々は怪我《けが》人の世話にかかった。村人のうちには、歯のかけた者、肋骨《ろっこつ》の折れた者、瘤《こぶ》や
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