のうちではクリストフを嘲《あざけ》っていた。彼は嘲られるに相当していた。数歩向こうにつっ立って、彼女を貪《むさぼ》るように見つめていたのである。それから彼は、言葉をかけずに立ち去った。
その後彼は何度か、彼女の村のまわりをさまよった。彼女はよく農家の中庭を行き来していた。彼は往来に立ち止まって彼女をながめた。彼女のためにやって来たのだとは自認していなかった。そして実際、そんなことはほとんど考えていなかった。彼はある作曲に没頭すると、夢遊病者みたいな状態になるのだった。意識的な魂が音楽的思想を追い求めている一方に、一身の他の部分は無意識的なも一つの魂のものとなり、その魂はわずかな放心の隙《すき》をもうかがって自由の天地にのがれようとしていた。彼はしばしば、彼女の正面にいる時でも、自分の音楽の囁《ささや》きに気を取られていた。そして彼女をながめながら夢想しつづけていた。彼は彼女を愛してるとは言い得なかった。そんなことは考えてもいなかった。彼女を見るのが楽しい、ただそれだけだった。自分を彼女の方へ導いてゆく欲望には、みずから気づいていなかった。
そういう執拗《しつよう》なやり方は、噂《う
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