わさ》の種となった。農家の人々はそれを笑っていた。クリストフが何者であるか知られてしまった。人々は笑いながらも彼を放《ほう》っておいた。なぜなら彼は害を与えはしなかったから。要するに、彼は馬鹿者のような様子をしていた。そして自分でも平気でいた。

 村の祭りだった。悪戯《いたずら》っ児《こ》らは小石の間で癇癪《かんしゃく》玉をつぶしながら、「皇帝陛下万歳!」を叫んでいた。小屋に閉じこめられてる牛の鳴き声が聞こえ、居酒屋には酔っ払いの歌が聞こえていた。彗星《すいせい》のような尾をつけた凧《たこ》が、畑の上高く空中に動いていた。鶏が黄色い敷き藁《わら》を狂気のようにかき回していた。風がその羽を、老婦人の裳衣《しょうい》に吹き込むように、吹き広げていた。一匹の薄赤い豚が、日向《ひなた》で快《こころよ》げに横たわって眠っていた。
 クリストフは三王星[#「三王星」に傍点]という飲食店の赤い家根の方へ進んでいった。その上には小さな旗が翻っていた。正面にはたまねぎの数珠《じゅず》がかかっていて、窓には赤と黄との金蓮花《きんれんか》が飾ってあった。彼はその広間にはいった。煙草《たばこ》の煙が立ちこめ
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