た。二人はもはやそのことを口先へも出さなかった。そして彼がなんとも言わないので、彼女は彼がその計画をやめたのだと信じようとした。それでもやはりたえず気にかかった。
そのうちに、彼はもう黙っておれなくなった。たとい彼女に断腸の思いをさせることになろうとも、ぜひとも話さなければならなかった。彼はあまりに苦しかったのだ。自分の苦しみにたいする利己心は、彼女に苦しみをかけるという考えに打ち克《か》った。彼は口を開いた。心が乱されるのを恐れて母を見ないようにしながら、終わりまで言い進んだ。もう二度と言い合うことがないように、出発の日まで定めた。――(この次になったら、今日ほどの悲しい勇気が出るかどうか、自分でもわからなかった。)――ルイザは叫んでいた。
「いえ、いえ、そんなことを言ってはいけません!……」
彼は身を堅くして、厳然たる決心をもって言いつづけた。言い終えると――(彼女はすすり泣いていた)――彼は彼女の手を取って、自分の芸術のため生命のためには、しばらく出かけることがいかに必要であるかを、彼女に了解させようとつとめた。彼女は聞くことを拒み、涙を流し、そしてくり返していた。
「いえ、
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