すべての者のうちに右の感情を見出した。上にはシルレルのウィルヘルム・テルがいた。人夫のような筋骨をもってる厳格なこの小市民は、自由なユダヤ人ベールネが言ったように、「ゲスレル閣下の帽子柱の前を[#「ゲスレル閣下の帽子柱の前を」に傍点]、その帽子を見なかったし敬礼の命令にそむいたのでもないということを証明するため[#「その帽子を見なかったし敬礼の命令にそむいたのでもないということを証明するため」に傍点]、眼を伏せて通りながら[#「眼を伏せて通りながら」に傍点]、名誉と恐怖とを妥協せしめんとした[#「名誉と恐怖とを妥協せしめんとした」に傍点]。」降《くだ》っては七十歳の敬すべき老教授ヴァイセがいた。彼は町で最も名誉な学者の一人だったが、一人の中尉殿[#「中尉殿」に傍点]が来るのを見ると、急いで歩道の高みを向こうに譲って、車道へ降りて行くのであった。クリストフは、常住卑屈のかかるつまらない行為を見ると、血が湧《わ》きたつのを覚えた。卑下したのはあたかも自分自身であるかのように、苦しい思いをした。往来ですれちがう将校らの傲慢《ごうまん》な様子は、彼らの横柄《おうへい》な鯱子張《しゃちこば》り方
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