獣のようであった。クリストフは同情からそれらの獣を見に行った。彼は獣らの驚嘆すべき眼を見守った。その眼には荒々しい絶望的な炎が、燃えていた――日に日に消えてゆきつつあった。ああ彼らは、自分を解放してくれる暴虐な射殺を、いかに望んでいることであろう! 彼らに生をも死をも妨げる人間の獰猛《どうもう》な冷淡さに比ぶれば、むしろいかなることでもはるかに望ましいのだ!
クリストフにとって最も圧迫的に感ぜられるものは、人々の敵意ではなかった。それは人々の形も根底もない不定な性質であった。あらゆる新思想を了解することを拒む、偏狭な頑固《がんこ》な頭脳を有する人々の執拗《しつよう》な対抗にたいして、どうすればよかったのか。力にたいしては力がある、岩石を切り砕く鶴嘴《つるはし》と爆薬とがある。しかしながら、凝液のごとくぬらりとして、少しの圧力にもくぼみ、しかもなんらの痕跡《こんせき》をも残さない、無定形な塊《かたまり》にたいしては、いかんとも方法がない。あらゆる思想、あらゆる精力、すべては泥濘《でいねい》のうちに没してしまうのであった。一つの石が落ちても、深淵《しんえん》の表面にようやく二、三の波紋が
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