れを恐れることであろう。彼女はクリストフとともに、やさしい切れ切れの話をしながら、かなり幼稚な些細《ささい》な事柄ばかりをやたらにもち出していた。そういう話にクリストフはあまり興を覚えなかった。彼はその無駄《むだ》話に厭気《いやき》がさしてきた。このようにひどく苦しんだ者が、苦しみのうちにもっと真面目《まじめ》にならないで、そんなつまらない事柄をどうして面白がるのか、彼には理解がいかなかった。彼は時々もっと重大な事柄を話そうと試みた。しかしそれにはなんらの反響もなかった。モデスタは重大な話にはいってゆくことは、できなかった――欲しなかった。
人々は床についた。クリストフは長く眠れなかった。彼はゴットフリートのことを考え、モデスタの幼稚な思い出話から、その面影を引き離そうとつとめた。しかし容易にできないのでいらだってきた。叔父がここで死んだこと、この寝台にその身体は休らったに違いないこと、それを考えては胸迫る思いがした。口をきいて盲目娘に自分のありさまを知らせることができないで、眼を閉じて死んでいったおりの、その臨終の苦悶《くもん》を思い起こそうと彼はつとめた。彼はその眼瞼《まぶた》を
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