れた。それから、震えが出てまた床についたが、もう夜通し身体が温《あたた》まらなかった。
曙《あけぼの》がきた。シュルツは残り惜しい心持で、前日の曙のことを考えた。しかしそういう考えで、残ってる最後の幸福の瞬間を乱すことを、みずから責めた。翌日になったらただいま去りつつある時間を愛惜するようになるだろうと、よく知っていた。彼はこの時間を少しも無駄《むだ》に失うまいとつとめた。彼は隣室のわずかな物音にも耳を澄ました。しかしクリストフは身動きもしなかった。彼は寝た通りの場所にまだ横たわっていて、少しも身を動かしてはいなかった。六時半が鳴った。彼はまだ眠っていた。彼に汽車を乗り遅らせることは訳もないことだった。そしてきっと彼はそれを笑って済ますに違いなかった。しかし老人は小心翼々としていて、友のことを承諾も得ずに勝手にきめることはできなかった。彼はいたずらにくり返し言った。
「私のせいじゃない。私にはなんの責《せめ》もあるまい。ただ知らせないだけでいいのだ。そして彼がおりよく眼を覚《さ》まさなかったら、私はも一日彼といっしょに過ごせるのだ。」
しかしこうみずから答え返した。
「いや、私には
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