うに五、六度打ち振り、そして叫び出した。クリストフはその叫び声のうちに、彼がこの奇遇を神と運命とに感謝してることを見て取った。それでも彼はすぐあとで、腿《もも》をたたきながら、ちょうど先生[#「先生」に傍点]の御到着のおりに、町から出かけていた――かつて町から出かけたことのない自分が出かけていた――不運を、ののしらずにはいなかった。シュルツの電報は、その朝汽車が出て一時間後にしか、彼の手に渡らなかった。電報が着いた時彼は眠っていて、人々は彼を起こさない方がいいと思ったのだった。それで彼は朝じゅう、旅館の者らにたいして怒りたっていた。今もまだ怒りたっていた。彼は患者筋の人々を追い帰し、用件の面会を断わり、帰りを急いで手当たり次第の汽車に乗った。しかしこのやくざな汽車は、本線と連絡していなかった。ポットペチミットはある駅で、三時間も待たなければならなかった。そこで彼は、知ってる限りの憤慨の言葉を言い尽くし、自分と同じように待たされてる乗客やまた駅夫などに、幾度となく自分の不運を物語った。ついに汽車が出た。彼はもう間に合わないかと恐れていた。……しかし、ありがたいことには、ありがたいことには
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