な心を見出すことは、かつてなかったのである。
 彼らが最もうち解けている最中に、老人はおり悪《あ》しく、ブラームスにたいする賛辞を述べた。クリストフは冷やかな憤りにとらわれた。彼はシュルツの腕を放して、なぐりつけるような調子で、ブラームスを愛する者は自分の味方であり得ないと言った。彼らの喜びはそのために冷水を注がれた。シュルツは議論するにはあまりに気おくれがしていたし、嘘《うそ》をつくにはあまりに正直だったので、弁解しようとつとめながら口ごもっていた。しかしクリストフは一言で彼をさえぎった。
「たくさんです!」
 その鋭利《えいり》な調子は返答を許さなかった。冷たい沈黙がきた。彼らは歩きつづけた。二人の老人は顔をも見合わしかねた。クンツは咳《せき》払いをしてから、また話の糸を結ぼうと試み、森や天気のことを言おうとした。しかしクリストフは不機嫌《ふきげん》な様子をして、話を進めてゆこうともせず、一言二言の答えをするばかりだった。クンツはこの方で反響を見出さないので、沈黙を破るために、シュルツと話そうとつとめた。しかしシュルツは喉《のど》をつまらしていて、口をきくことができなかった。クリス
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