だった。クンツはあまり気乗りの様子を見せなかった。しかしシュルツは即座に、それをいい考えだと思い、シェーン[#「シェーン」に傍点]・ブッフ[#「ブッフ」に傍点]・ワルデル[#「ワルデル」に傍点]の遊歩場を客に見せなければいけないと思った。クンツはちょっと顔をしかめた。しかし別に逆らいはしないで、いっしょに立ち上がった。彼もやはりシュルツと同様に、土地の美景をクリストフに見せたかった。
彼らは出かけた。クリストフはシュルツの腕をとって、老人の気ままな足取りよりも少し早く歩かせた。クンツは汗をふきながらあとにつづいた。彼らは快活にしゃべっていた。人々は門口に立って彼らが通るのをながめ、シュルツ教授の若返ってる様子を認めた。彼らは町から出ると、牧場を横切った。クンツは暑いのをこぼしていた。クリストフは思いやりもなく、空気がさわやかだと言っていた。二人の老人らにとって仕合わせなことには、皆はたえず立ち止まっては議論をし、譜のうちに道の長さが忘れられた。森の中にはいった。シュルツはゲーテとメーリケとの詩句を誦《しょう》した。クリストフは詩がたいへん好きだった。しかしその詩を一句も聞き止めること
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