ットペチミットをも忘れなかった。クンツの方でも、シュルツと他の数人のために杯を挙げた。そしてクリストフは、それらの祝杯に終わりをつけるために、ザロメさんのために杯を干した。ザロメは真赤《まっか》になった。そのあとで彼は、弁士らに返答の余裕を与えないで、よく世に知れてる歌謡を歌った。二人の老人もいっしょにやりだした。その後でまた他の唄《うた》を歌い、なお次に、友情と音楽と葡萄酒《ぶどうしゅ》とに関するものを、三部合唱で歌った。響きわたる笑声とたえず触れ合う杯の音とで、すべてが伴奏された。
彼らが食卓から立ち上がったのは、三時半であった。皆少しけだるくなっていた。クンツは肱掛椅子《ひじかけいす》にぐったりとすわった。ちょっと一眠りしたいほどだった。シュルツは午前中の興奮とまた祝杯の酔いのために、足がよろよろしていた。二人とも、クリストフがまたピアノについて幾時間も弾奏することを、希望していた。しかしきわめて快活軽敏なこのひどい青年は、ピアノで三、四の和音をひいてから、にわかにその蓋《ふた》を閉じ、窓から外をながめて、夕食までの間に一回りしてきてもよいかと尋ねた。野の景色が彼をひきつけたの
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