大声で呼びたてた。窓が一つ開《あ》いて、びっくりしたクンツの顔が現われた。クンツは暗闇の中を透し見て、尋ねた。
「だれですか。なんの用ですか。」
 シュルツは息を切らし※[#「口+喜」、第3水準1−15−18]々《きき》として、叫んでいた。
「クラフトが……クラフトが明日来るよ……。」
 クンツには何にもわからなかった。しかし彼はその声を覚えていた。
「シュルツか!……どうしたんだ。今時分に。何か起こったのか。」
 シュルツはくり返した。
「明日来るんだよ、明日の朝!……」
「何が?」とクンツはまだ呆気《あっけ》に取られていて尋ねた。
「クラフトがさ!」とシュルツは叫んだ。
 クンツはちょっとその言葉の意味を考えていた。それから、響き渡る感動の言葉を発した。了解したのだった。
「降りて行くよ。」と彼は叫んだ。
 窓はまた閉《し》められた。彼は手にランプをもって、階段の入口に現われ、庭に降りてきた。背の低い太鼓腹の老人で、灰色の大きな頭と赤い髯《ひげ》とをもち、顔や手には赤痣《あかあざ》があった。彼は瀬戸のパイプをふかしながら、小股《こまた》でやって来た。お心よしで多少ぼんやりしてるこの
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