て、学生らの上に愛情の欲求を移していた。しかし報いられることはまれだった。年老いた心は、若い心にごく近く自分を感じ、ほとんど同年輩くらいに感じ得る。両者を隔てる年月がいかに短いかを知っている。しかし青年はそれを少しも気づかない。青年にとっては、老人は異なった時代の人である。そのうえ、青年は目前の配慮にあまりに心を奪われていて、自分の努力の悲しい終局からは本能的に眼をそらすのである。シュルツ老人は、ある学生らの感謝に時々出会うこともないではなかった。幸でも不幸でも彼らに起こることにはすべて彼が新鋭な関心を見せるので、彼らはそれに動かされた。時々会いに来てくれた。大学を出ると感謝の手紙をよこした。なお引きつづいて年に一、二回手紙をくれる者もあった。けれどその後になると、シュルツ老人はもう彼らの消息に接しなかった。ただ新聞などで某々の出世を知った。すると彼は自分が成功でもしたかのようにその成功を喜んだ。彼は彼らの無音を恨まなかった。いろんな理由を察しやっていた。彼らの愛情を少しも疑わなかった。彼らにたいする自分の感情と同じような感情が、彼らのうちの最も利己的な者にもあるがように思っていた。

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