過ごしたかのように金を払い、そして出発するつもりだと言った。何も急ぐ必要はないこと、彼の乗ろうとする汽車は数時間後にしか出ないこと、旅館で待ってる方がいいこと、などを説明されても無駄《むだ》だった。彼はすぐに停車場へ行きたがった。どれでも構わず最初の汽車に乗りたく、一刻もそこにとどまることを欲しなかった。この長い旅をした後、旅費をだいぶ使った後――ただにハスレルに会うことばかりではなく、博物館を見物し音楽会に行き種々の知己を得ることなどを、楽しみにしていたのであるが――彼はもはや一つの考えしかもたなかった、すなわち出発すること……。
彼は停車場へもどってきた。言われたとおりに、乗るべき汽車は三時間後にしか出なかった。しかもその汽車は急行でなく――(クリストフは最下等にしか乗れなかったのである)――途中で停まるのであった。二時間後に発車して初めのに追いつく次の汽車に乗った方が、ずっと利益だった。しかしそれはここで二時間ほど多く過ごすことであった。クリストフには堪えがたかった。彼はもう、待ってる間に停車場の外へ出たくもなかった。――陰鬱な待合時間だった。室は広くがらんとして、しかも騒々し
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