散らかってるまん中に机の上にそれを置いた。クリストフは、彼女が出て行くのを待って、苦しい話をまた始めた。言いつづけるのにたいへん骨が折れた。
ハスレルは盆を自分の前に引き寄せていた。彼はコーヒーをついで唇《くちびる》をつけた。それから馴《な》れ馴れしい人のいいやや軽蔑《けいべつ》的な様子で、クリストフの話の途中をさえぎって、彼に勧めた。
「一杯どうだい。」
クリストフは断わった。彼は文句の筋道をつなごうと骨折っていた。しかしますますまごついてきて、もう何を言ってるのかみずからわからなくなった。ハスレルの様子に気を奪われていた。ハスレルは皿《さら》を頤《あご》の下に置き、バタつきのパンやハムの切れを指でつまみ上げては、子供のように頬張《ほおば》っていた。でもクリストフはようようのことで、自分は作曲をしてるということや、ヘッベルのユーディット[#「ユーディット」に傍点]にたいする序曲を演奏さしたことがあるなどと、話すことができた。ハスレルは気も止めずに聞いていた。
「何を?」と彼は尋ねた。
クリストフは序曲の題名をくり返した。
「ああ、なるほど。」とハスレルは言いながら、パンと指先と
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