この新しい友人らとともに話をし食事をし散歩をした。リーリ・ラインハルトは彼をひいきにして、滋味ある御馳走《ごちそう》をふるまってやった。彼女は自分自身の健啖《けんたん》を満足させるために、かかる口実を見出したことを喜んでいた。彼女は感情上のまた料理上の種々な注意を凝らしていた。クリストフの誕生日には、大きな蒸し菓子をこしらえ、その上にたくさんの蝋燭《ろうそく》を立て、まん中にはギリシャ風の服装をした小さな砂糖人形をすえた。この人形はイフィゲニアを現わしたつもりで、花輪を一つもっていた。クリストフはドイツ人たることをきらいながら根本からドイツ人だったので、真の情愛を示すあまり上品でないそういう仕方にも、たいへん心を打たれた。
気質《きだて》のよいラインハルト夫妻は、自分らの積極的な友情を示すために、もっと微妙な方法を見出すことができた。楽譜をほとんど読んだことのないラインハルトは、細君に説き勧められて、クリストフの歌曲集[#「歌曲集」に傍点]を二十部ばかり買った。――(発行書店から買い出されたのはそれが最初のものだった。)――ラインハルトはそれを諸方の大学関係の知人に送って、ドイツじゅ
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