らは赤裸々な真実の前に眼を瞬《またた》いた。しかしクリストフは喜んだ。彼は光明を愛していたのである。けれど彼もやはり、あちらこちらで小さな不安を覚えた。彼はそういう放肆《ほうし》な独立に慣れていなかった。最も自由であってもやはり規律に慣れてるドイツ人にとっては、それは無政府らしく思われた。そのうえクリストフは、フランス人の皮肉さに迷わされた。彼はある事柄をあまり真面目《まじめ》に取りすぎた。また断然たる否定であるある事柄が、彼には反対に冗談的逆説と思われた。だがそれはとにかく、彼はびっくりしたり不快を覚えたりしながらも、少しずつひきつけられていった。彼は種々の印象を分類することはやめた。一つの感情から他の感情へと移っていった。生きていた。フランスの物語――シャンフォールやセギュールや父デューマやメリメなどが乱雑につみ重ねられてる物語――の快活さが、彼の精神を暢々《のうのう》とさしてくれた。そして時々あるページからは、もろもろの革命の強く荒い匂《にお》いがむくむくと立ち上っていた。
 明け方近くになって、隣室に眠っていたルイザが眼を覚《さ》ますと、クリストフの室の扉《とびら》の隙間《すき
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