れ以外のことは何にも見ていなかった。彼らは人間ではなかった。せめて書物ならまだよかった。しかし彼らは書物の注解であり、言葉の注釈者だった。
クリストフは彼らといっしょになる機会を避けた。しかし時々それをのがれることができなかった。校長は月に一回午後に訪問を受けていた。そして仲間全部が集まることを望んでいた。クリストフは、欠席してもわかるまいといい加減に考えて、断わりもしないでひそかに最初の招待に欠けたが、翌日になると、厭味な小言を食わされた。次回には、母からしかられて、行くことに心をきめた。そして葬式にでも行くように渋々出かけた。
はいって行くと、自分の学校や町の他の学校の教師たちが、細君や娘を連れて集まっていた。彼らは狭すぎる客間に押し込まれて、階級ごとに一群をなしていたが、彼にはなんらの注意をも払わなかった。彼のそばにいる一団は、児童教育や料理のことを話していた。教師の細君たちは皆、多少の料理法を心得ていて、頑強《がんきょう》に学者ぶってしゃべりたてていた。男たちの方もその問題には同じく趣味を覚えていて、ほとんど劣らないくらいの脳力を示していた。また彼らは自分の細君の家政的手腕
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