喜ぶだろうがね。」
 彼はクリストフをながめながら、口を開いたままにわかに言いやめた。
「ああ……そうだ……ちょうどいい!」
 彼は低く言った。
「クリストフ、君は芝居へ行くのかい。」
「いや。」
「諾《うん》と言えよ。芝居へ行ってくれ。僕の頼みだ。厭《いや》とは言えまい。」
 クリストフは訳がわからなかった。
「だが切符がないんだ。」
「ここにある!」とマンハイムは勢いよく言いながら、彼の手に切符を無理に握らしてしまった。
「君はめちゃだ。」とクリストフは言った。「そしてお父《とう》さんの言いつけは?」
 マンハイムは笑いこけた。
「怒《おこ》るだろうよ。」と彼は言った。
 彼は笑い涙を拭《ふ》いて、そして結論した。
「明日《あした》の朝起きぬけに、まだ何にも知らないうちに、僕からもち出してやるんだ。」
「僕は承知できない、」とクリストフは言った、「君のお父さんに不愉快なことだと知っては。」
「君が知る必要はない、君の知ったことじゃない、君に関係あることじゃないんだ。」
 クリストフは切符を開いた。
「そして四人分の桟敷《ボックス》をどうするんだい。」
「いいようにするさ。よかったら
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