ムとばったり出会った。
マンハイムは彼の腕をとらえた。そして、父の妹に当たる老いぼれ婆《ばあ》さんが、おおぜいの家族を連れて不意にやって来たことや、それを迎えるために皆家にいなければならなかったことなどを、腹だたしい様子でしかも嘲《あざけ》りの調子を失わないで語ってきかした。彼は逃げ出そうとしたのだった。しかし父は、家庭上の礼儀と年長者に払うべき尊敬との問題については、嘲弄《ちょうろう》を許さなかった。それにちょうど彼は、父をうまく取りなして金を引き出す必要があったので、譲歩して芝居をあきらめない訳にはゆかなかった。
「君たちは切符をもってたのかい。」とクリストフは尋ねた。
「そうさ、上等の桟敷《ボックス》だ。おまけに、僕はそれを他《ほか》へ届けなけりゃならないんだ――(このまますぐに行くところだ)――親父《おやじ》の仲間でグリューネバウムという奴《やつ》にさ。妻君と馬鹿娘とを連れて行っていただきたいというんでね。愉快な話さ。……僕はせめて奴らに何か面白くないことを言ってやりたいと思ってるんだ。だがそんなことには奴らは平気だ、切符さえもって来てもらえれば――切符が紙幣《さつ》ならなお
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