て演奏してる音楽学校の重鎮らにたいしては、彼はいかに譏刺《きし》を事としてもまだ足りなかった。
「古典《クラシック》! この言葉にはあらゆるものが含まっている。自由な情熱が、学校で使えるように整理し加減されてるのだ! 風に吹かれてる広野たる人生が、運動場の四壁のうちに閉じこめられてるのだ! 戦《おのの》く心の粗野な誇らかな律動《リズム》も、高拍子の撞木杖《しゅもくづえ》によりかかり跛を引きながら、お人よしのくだらぬ道を安心して進んでゆく、四拍子一節の時計の音になされてるのだ!……大洋を享楽せんがためには、諸君はそれを金魚といっしょにガラス瓶《びん》の中に入れたがるに違いない。諸君は人生を殺してしまった時に、初めて人生を解するのだ。」
クリストフは、彼が「剥製《はくせい》者」と名づけた人々にたいして温和ではなかったが、「曲馬師」ら、腕の丸みと粉飾した手とを称賛さしに押し出してくる名高い音楽長らにたいしても、やはり温和ではなかった。彼らは、大楽匠を踏み台にしておのれの腕前を揮《ふる》い、広く世に知られてる作品を形《かた》なしにしようとつとめ、ハ短調交響曲[#「ハ短調交響曲」に傍点]の箍《
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