とには、断じて許し得なかったことには、その裏切りの行為はアーダにあっては、情熱から来たものではなく、また、女の理性がたいていは屈服しがちな不条理下劣な出来心、その一つでもほとんどなかった。否――彼は今や了解した――それは彼女にあっては、彼を堕落させ、彼を恥ずかしめ、自分に対抗する彼の道徳心や信念を罰し、彼を自分と同じ水平面に低下さし、彼を自分の足下にひざまずかせ、自分の害毒の力をみずから承認しようという、ひそかな欲望であった。そして彼は嫌忌《けんき》の念をもってみずから尋ねた、だが多くの者のうちにある汚さんとするこの欲求は――自分や他人のうちの純潔なものを汚さんとするこの欲求は、いったいなんであるのか?――表皮の全面にもはや一点の清い場所も残っていない時初めて幸福を感じ、汚穢《おあい》の中にころがって快楽を味わう、それらの豚のような魂は!……
アーダはクリストフが自分のもとにもどってくるのを、二日ばかり待ってみた。それから気をもみだして、甘ったるい手紙を書き送った。もちろんあの出来事については何にも言及しなかった。クリストフは返事もよこさなかった。彼は言葉にも尽せないほどの深い憎悪《
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