心配しだした。彼らを疑ってはいなかった。彼はまた立上った。林の中にもどってゆき、彼らを捜し、彼らを呼んでみよう、と言いだした。ミルハはくすりと笑った。彼女はポケットから、針と鋏《はさみ》と糸とを取出していた。そして帽子の羽飾りを、落着き払って解いたり付けたりしていた。終日でもそこにすわってるつもりらしかった。
「駄目《だめ》よ、駄目よ、お馬鹿《ばか》さんね。」と彼女は言った。「もしあの人たちがここへ来るとしても、仕方なしにやって来るんだとは、あんたは思わなくって?」
 彼ははっとした。彼女の方を振向いた。彼女は彼を見ないで、仕事に気を入れていた。彼はそのそばに寄った。
「ミルハ!」と彼は言った。
「え?」と彼女は仕事をやめずに言った。
 彼はひざまずいて、彼女をすぐ近くからながめた。
「ミルハ!」と彼はくり返した。
「なによ?」と彼女は尋ねながら、仕事から眼をあげ、微笑《ほほえ》んで彼をながめた。「どうしたの?」
 彼女は彼の狼狽《ろうばい》した顔つきを見ながら、嘲るような表情をした。
「ミルハ!」と彼は喉《のど》をひきつらしながら尋ねた、「君の考えを、言ってくれ……。」
 彼女は肩を
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