様子を見てとっていた。クリストフの拙劣さや無器用な言葉などがいかに滑稽《こっけい》であるかを、少しも見落さなかった。クリストフは思い切ってアーダを名ざすのも、容易ではなかった。そして彼の描き出すアーダの姿は、あらゆる恋人にどれにでもよくあてはまるようなものだった。でもとにかく彼は自分の恋愛を語った。そして心に満ちてる情愛の波に次第に我を忘れてきた。愛することはいかにいいことであるか、闇夜《やみよ》のような生活の中でその光明に出会わないうちは、いかに自分は惨《みじ》めであったか、深い恋愛がなかったらいかに人生はつまらないものであるか、そういうことを語った。相手は真面目《まじめ》くさって耳を傾けていた。程よく返辞をして、少しも尋ねはしなかった。しかし感動したその握手は、クリストフと同様に感じてることを示した。二人は恋愛と人生とに関して意見を交換した。クリストフはいたってよく了解されたことを喜んだ。二人は眠る前に、親しく抱擁しあった。
クリストフは多くの気がねと遠慮とをもってではあったが、自分の恋愛をエルンストにうち明ける習慣になった。エルンストの慎み深さは彼を安心さしていた。アーダに関す
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