の紙に画いてあるような、出鱈目《でたらめ》な小さな、踊っているような姿が、画かれてあるのを発見したのでした。それは白墨でいたずら画きしたものでしたが、私は厩《うまや》番の少年がかいたのだろうと思いました、その若者は、全く知らないと云いはるのでした。とにかくそれは夜かかれたものでしたが、私はそれを洗い落してから、このことを妻に話しました。ところが驚いたことには、妻はそんなものを大変重大視して、もしまた画かれたら、ぜひ見たいと云うのでした。それから、一週間の間は、そんなものは画かれませんでしたが、ちょうど昨日の朝、またまた私は、庭園の日時計の上に、この紙片がおかれてあるのを見つけたのでした。私はそれをエルシーに見せましたら、彼の女は気絶して倒れてしまったのでした。それ以来彼の女は、全く茫然としてしまって、いつも恐怖にとりつかれた目色をしているのです。それでその時に私は、この紙片をあなたにお送りして、手紙をさし上げた次第でした。これはまさか警察に訴えても、ただ笑いものにされて、取りあってくれますまいし、あなたでしたら何とか方法を教えて下さるだろうと考えたのでした。私は決して金持ではありません
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