とは、私の家は、決して金持ではありませんが、ここ約五世紀の間は、現在のリドリング村に住んでいて、ノーフォーク地方では、第一の旧家だと云うことです。去年の五十年祭には私はロンドンに来て、ランセル街の宿泊所に滞在しました。それは私の教区の牧師の、パーカーさんが滞在していた関係から、そこを選んだのでした。そうするとそこに、亜米利加《アメリカ》の若い婦人が居たのでした。パートリックと云う名前で――すなわちエルシー・パートリックと云う女でしたが、――ふとした機会から、私共は友人になってしまいましたが、その滞在中に私は、遂に男性並々に、その女と恋愛関係に陥ってしまったのでした。それで私共は早速結婚の手続をすまし、夫婦としてノーフォークに帰って来ました。とにかく少しは知られている旧家の人間が、こんな風にして、全くその身元調査もろくろくしないで、結婚してしまうなどということは、とても乱暴なことと思われるでしょうが、しかしそのことは、私の妻を御覧下されて、彼の女を知って下されば、お解りになると思われますが、――
とにかく彼の女は、――エルシーは卒直でした。もし私が訊ねさえしたら、何もかも隠さずに云って
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