云って紹介して来たが、私の友人の名前を聞いた時は、かなり驚いた様子であった。
「これはまた、ホームズ先生、――犯罪は今朝の三時に行われたばかりなのですが、ロンドンで、どうしてこんなに早くお聞きになったのですか? 私と同時にこの現場にお出でになると云うことには全く驚きました」
「私はこのことを予想したのでした。実はそれを防止するためにやって来たのでしたが」
「それではあなたは、われわれの知らない、重大な証拠をお持ちになっていられるでしょう、――彼らは大変|琴瑟相和《きんひつあいわ》した夫婦だったと云うことですがね、――」
「私はただあの舞踏人の話を知っているだけなんですが、――」
 ホームズは云った。
「いずれ後刻、そのことはお話しましょう。いずれにしても、もう手遅れしてしまいましたが、しかし僕は、多少持ち合せている智識を、この事件の解決のために、出来るだけ提供し、利用したい希望なのですが、あなたはこの事件の調査については、私と協同して下さいますか、、またそれとも別々に行動しましょうか?」
「いえホームズ先生、協力してやらせて下されば光栄の至りですが、――」
 その検察官は熱意をこめて云
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