ゆくのだと思うと、もうその中《うち》に、話は外《よそ》に外《そ》れてしまうのでした」
「しかしあなた御自分で、気のついたものはありませんでしたか?」
「いやホームズさん、それはたくさんあります、私はぜひあなたにお目にかけたい、新な舞踏人の絵を持って来ました。そして更に重大なことは、私はある者を見たのです」
「ある者を、――それはその絵を画いた当人ですか?」
「そうです。私はその者が画いているところを見ました。いやとにかく、最初こう順序を立てて申しましょう。私がこの前にお訪ねして帰ってからまず、次の朝に新な舞踏人の絵を見たのでした。それは芝生の横にある、物置の真黒い扉の上に、白墨で画かれたものでしたが、私のところの正面の窓から目に止まったのでした。私はそれを正確に写し取って来ましたが、これがそれです」
彼は一枚の紙をひろげて、テーブルの上に置いた。それは次の図のような、象形記号と云ったようなものであった。
[#図2入る]
「素敵! 素敵! さあその先を、――」
ホームズは云った。
「私がそれを写し取ってしまってから、その絵を消してしまいましたが、その次の次の朝に、また別のが画かれてあ
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