りました。それがこの方です」
[#図3入る]
ホームズは、手をもじゃもじゃさせ、歓喜の微笑をもらした。
「材料は着々と集まって来るぞ!」
彼は云った。
「それから三日の後、紙の上に走りがきされた、一枚の通牒《メッセージ》が日時計の上の、小石の下に置かれてありました。それはこれです。御覧の通り、これはすべて同一人のものですがね。それでこの後は私は、一つ待ち伏せしてやろうと思い立って、拳銃《ピストル》を持って、私の書斎に位置を取り、芝生や庭を見張りました。午前二時頃、――私が窓際に腰かけていましたが、外は月夜で仄《ほの》あかるかったがしかし、その外はもちろん暗闇でした。その時私はふと後に、人の気配を感じたと思うと、それは寝巻姿の妻でした。彼の女は私に、寝室に帰るようにと云いましたが、私は卒直に、私たちに馬鹿気たいたずらをする者を突き止めようと思うのだと告げました。そうすると妻は、それはつまらない悪戯に相違ないのだから、私に深く気に止めないようにと云うのでした。そして「もしこんなことが本当に、あなたを困らすのなら、ヒルトン、私たちは旅に――出れば、こんな五月蝿《うるさ》いことは避けられる
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