ます。私は以前から述べている通り、新聞記者とも、事務員とも、女工ともなることを辞しません。また屋外の政治運動にしても、幼年期の子供をすべて小学へ送るようになれば決して辞するものでないことは、早く私の著書の中に明言しています。
ついでに申し添えます。山田女史は近頃その評論の中で、私に対して頻《しき》りにこういう類の臆断を敢てされるようですが、他人の意見を全部的に評される時には、その人の著書を一通り参照されるだけの用意を持って頂きたいと思います。私が屋外運動をしないということに対し、更に女史が「私は子供が大切で可愛くて、とても家庭を離れる訳にはいかない。けれどお前さんたちはどうでもいいだろう。なぜこぞって屋外労働に従事しないか。なぜ政治運動に飛び出さないかと、晶子《あきこ》氏がいっているように私には思います。そして、何という不人情な事を仰《お》っしゃるだろうと思います」といわれた一節などは、余りに甚だしい無反省な物の言い方でないかと思います。私は母性保護問題について意見を異にしている山田女史とこの上論争する考えを持ちませんが、こういう女史の臆断については女史に対して反問せずにおられません
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