助勢を惜まれないだろうと信じます。
婦人と大学教育
この意味において私どもは大隈《おおくま》内閣の文部省が女子大学の必要を公認したことを感謝します。またなるべくどの男子の大学でも婦人の聴講生を許すに至ることを希望します。また世の父兄が高等女学校|乃至《ないし》現在の女子大学程度の授業を以て女子に高等教育を授けたかの如く誤解されないように希望します。男子の大学とても皆が皆今の状態では高等の智力を鍛える処とは限っておりませんが、まして高等女学校は夐《はる》かに男子の中学に及ばず、女子大学は到底男子の高等学校に比較しがたいものです。それらの卒業程度を以て父兄が女子の高等教育を打切るのも早計ですし、それらの卒業生の社会に出た後の成績を以て女子の高等教育を是非するのも軽率です。しかし如何に高級な女子大学が多数に設けられ、男子の大学が女子の共学を許すにしても、現在の家庭の経済事情と現在の女子の知識状態では大学教育まで受け得る婦人が極めて少数であることは明白です。また女子の高等教育を一般に是認させる必要から特に大学教育を云云《うんぬん》しますけれど、智力の充実は必ず大学教育に限った訳でも
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