婦人改造と高等教育
与謝野晶子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)小松原英太郎《こまつばらえいたろう》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)大分|厭《いや》な
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#下げて、地より1字あきで]
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婦人教育の推移
我国の婦人界は人の視聴を引く鮮かな現象に乏しいので毎年同じほどの平調な経過を取って行くように思われますけれど、七、八年前の婦人界を顧みて比較するとその変化の非常なのに驚かれます。例えば小松原英太郎《こまつばらえいたろう》氏が文部大臣であった頃と今日との教育主義の推移はどうでしょう。あの頃は世界の大勢に逆行し併《あわ》せて我我若い婦人の内部要求を無視した旧式な賢母良妻主義が一般女子教育家の聡明を脅《おびや》かして、近く叙勲された女流教育家たちなどが倉皇《あわ》てて「女学生べからず訓十カ条」を制定するような状態であったのです。そういう保守的逆潮に対して微力の許す限り不承認の意向を述べた私などは大分|厭《いや》な批難を旧《ふる》い人たちから受けたようでし
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