する「平等の権利」を解しない専制主義者、官僚主義者、軍国主義者を以て蔑視すべき男女であるのです。
さて、普通選挙を要求するというのは、実にこの民主主義的の権利を――平等の権利を――日本人全体が政治の上に得て、国民として政治に参与する機会の均等を持とうとするがために外ならないのです。我々は日本国民たることにおいて平等です。国家を愛し、あらゆる職業と労作を通じて、精神的及び物質的に国家に貢献していること、即ち国民としての義務を行っていることにおいて平等です。この愛国心と、この国民的義務の負担とにおいて平等である我々が、どうして国家の政治に参与する権利においては不平等な待遇を受けねばならないでしょうか。
国家は国民全体の勤務に依って支持されて行くものです。国家は国民全体の協力の中に生存し発達して行くものです。一旦緩急あれば義勇を以て公(即ち国家)に奉ずるのみならず、個人が日々の勤労は直接または間接に国家のために計っているのです。民主主義の家庭は、その家長の専制に依って家政を決することなく、必ず家庭の協同員たる独立の人格を持った年頃の家族と共に公平に合議して決せねばならぬ如く、国家の政治も
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