婦人も参政権を要求す
与謝野晶子

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)俄《にわ》かに

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)圧制|蹂躙《じゅうりん》する

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地より1字上げ]
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 二月に入って俄《にわ》かに普通選挙の運動が各地に起り出しました。かつて明治四十一年に政友会の提出した普通選挙法案が一旦衆議院を通過しながら、元老や貴族院の保守的勢力の圧迫に依って頓挫してしまったことは、私たちの記憶にまだ新しいのですが、今年の議会に国民党、憲政会、政府等から各別に三つの選挙法改正案が提出された際ですから、これを好い機会として、久しく眠っていたこの運動が十幾年ぶりに復活して来たのだと思います。
 これに対して私たち婦人は、唯だそういう事象が男子の間にあるとして冷淡に看過して好いでしょうか、どうか。言い換えれば、そういう問題は私たち婦人と直接に何の交渉もないものでしょうか、どうか。私はこれについて、一般の婦人たちとは勿論、併せて一般の男子たちとも反省してみたいと思います。
 普通
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