活者と称することが出来ると思います。
この創造能力は一切の人類が個性として具有しているものであって、これを実際に用いて生活のあらゆる体系――個人生活、家庭生活、国民生活、世界生活――に新しい創造を試みたるために、人間は如何なる自己以外の権力にも圧倒されないだけの「自由独立の権利」を持っています。例えば教育の自由、思想の自由、言論の自由、職業の自由の類がそれです。また、この創造能力を用いてあらゆる生活の体系に貢献するために、個人個人がこの能力を開展する機会を均等にする権利、即ち「平等の権利」を持っています。例えば貴族の子も乞食の子も学齢に達すれば平等に教育を受けることが出来ます。これは教育を受ける機会の平等です。また学術上の実力さえあれば、富豪の子弟も貧民の子弟も平等の学位を請求することが出来ます。これは学位を受ける機会の平等です。貧富貴賤、士農工商に依って階級の差等や権利の差等を認めず、一斉に同じ出発点に立って創造能力の競争に参加し得るのが「平等の権利」です。或階級の人間だけが特別の権利を持って、便宜の多い偏頗《へんぱ》な生活をするというようなことのないために必要なものが、この「平等
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