た》だ一つの真実創造、
もう是非の隙《すき》も無い。

今、第一の陣痛……
太陽は俄《には》かに青白くなり、
世界は冷《ひや》やかに鎮《しづ》まる。
さうして、わたしは唯《た》だ一人《ひとり》………


    アウギユストの一撃

二歳《ふたつ》になる可愛《かは》いいアウギユストよ、
おまへのために書いて置く、
おまへが今日《けふ》はじめて
おまへの母の頬《ほ》を打つたことを。
それはおまへの命の
自《みづか》ら勝たうとする力が――
純粋な征服の力が
怒りの形《かたち》と
痙攣《けいれん》の発作《ほつさ》とになつて
電火《でんくわ》のやうに閃《ひらめ》いたのだよ。
おまへは何《なに》も意識して居なかつたであらう、
そして直《す》ぐに忘れてしまつたであらう、
けれど母は驚いた、
またしみじみと嬉《うれ》しかつた。
おまへは、他日《たじつ》、一人《ひとり》の男として、
昂然《かうぜん》とみづから立つことが出来る、
清く雄雄《をを》しく立つことが出来る、
また思ひ切り人と自然を愛することが出来る、
(征服の中枢は愛である、)
また疑惑と、苦痛と、死と、
嫉妬《しつと》と、卑劣と、嘲罵《てう
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