を飼ふぞおもしろき。
雛《ひな》の初毛《うぶげ》はみすぼらし、
おぼつかなしや、足取《あしどり》も。
盥《たらひ》のなかに湯浴《ゆあ》みする
よき肉づきの生みの児《こ》の
白き裸を見るときは、
母の心を引立たす。
手足も、胴も、面《おも》ざしも
汝《な》を飼ふ親に似たるこそ、
かの異類なる金糸雀《カナリヤ》の
雛《ひな》にまさりて親しけれ。
かくて、いつしか親の如《ごと》、
物を思はれ、物|云《い》はん。
詩人、琴弾《ことひき》、医師、学者、
王、将軍にならずとも、
大船《おほふね》の火夫《くわふ》、いさなとり、
乃至《ないし》活字を拾ふとも、
我は我子《わがこ》をはぐくまん、
金糸雀《カナリヤ》の雛《ひな》を飼ふよりは。
[#地から4字上げ](一九〇一年作)
我子等よ
いとしき、いとしき我子等《わがこら》よ、
世に生れしは禍《わざはひ》か、
誰《たれ》か之《これ》を「否《いな》」と云《い》はん。
されど、また君達は知れかし、
之《これ》がために、我等――親も、子も――
一切の因襲を超えて、
自由と愛に生き得《う》ることを、
みづからの力に由《よ》りて、
新らしき世界を
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