誕生日を
毎年《まいとし》のやうに、気持よく、
弟や妹達と祝ふ積《つも》りでゐます。
子供達のみづみづしい顔を
二つのちやぶ台の四方《しはう》に見ながら、
ああ、私達ふたおやは
冷たい夕飯《ゆふはん》を頂きました。

もう私達は顛覆《てんぷく》するでせう、
隠して来たぼろを出すでせう、
体裁を云《い》つてゐられないでせう、
ほんたうに親子拾何人が餓《かつ》ゑるでせう。
全《まつた》くです、私達を
再び立て直す日が来ました。
恥と[#「恥と」は底本では「耻と」]、自殺と、狂気とにすれすれになつて、
私達を試みる
赤裸裸の、極寒《ごくかん》の、
氷のなかの日が来ました。
[#地から4字上げ](一九一七年十二月作)


    真珠貝

真珠の貝は常に泣く。
人こそ知らね、大海《おほうみ》は
風吹かぬ日も浪《なみ》立てば、
浪《なみ》に揺られて貝の身の
処《ところ》さだめず伏しまろび、
千尋《ちひろ》の底に常に泣く。

まして、たまたま目に見えぬ
小さき砂の貝に入《い》り
浪《なみ》に揺らるる度《たび》ごとに
敏《さと》く優《やさ》しき身を刺せば、
避くる由《よし》なき苦しさに
貝は悶《もだ
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