か。

君が心は躍《をど》れども、
わが※[#「執/れっか」、262−下−10]《あつ》かりし火は濡《ぬ》れて、
自《みづか》らを泣く時のきぬ。

わが聞く楽《がく》はしほたれぬ、
わが見る薔薇《ばら》はうす白《じろ》し、
わが執《と》る酒は酢に似たり。

ああ、わが心|已《や》む間《ま》なく、
東の空にとどめこし
我子《わがこ》の上に帰りゆく。


    モンソオ公園の雀

君は何《なに》かを読みながら、
マロニエの樹《き》の染《そ》み出した
斜《はす》な径《こみち》を、花の香《か》の
濡《ぬ》れて呼吸《いき》つく方《かた》へ去り、
わたしは毛欅《ぶな》の大木の
しだれた枝に日を避けて、
五色《ごしき》の糸を巻いたよな
円《まる》い花壇を左にし、
少しはなれた紫の
木立《こだち》と、青い水のよに
ひろがる芝を前にして、
絵具の箱を開《あ》けた時、

おお、雀《すゞめ》、雀《すゞめ》、
一つ寄り、
二つ寄り、
はら、はら、はらと、
十《とを》、二十《にじふ》、数知れず、
きやしやな黄色《きいろ》の椅子《いす》の前、
わたしへ向いて寄る雀《すゞめ》。

それ、お食べ、
それ、お食べ、

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