に、
猩猩緋《しやう/″\ひ》の上衣《うはぎ》を黒の上に著《き》た
一隊の男の児《こ》の行列、
何《なん》と云《い》ふ可愛《かは》いい
小学の制服なんでせう。
ああ、東京の子供達は
どうしてゐるでせう。
同じ時
黒く大いなる起重機
我が五階の前に立ち塞《ふさ》がり、
その下に数町《すうちやう》離れて
沖に掛かれる汽船の灯《ひ》
黄菊《きぎく》の花を並ぶ。
税関の彼方《かなた》、
桟橋に寄る浪《なみ》のたぶたぶと
折折《をりをり》に鳴りて白し。
いづこの酒場の窓よりぞ、
ギタルに合はする船人《ふなびと》の唄《うた》
秋の夜風《よかぜ》に混《まじ》り、
波止場に沿ふ散歩道は
落葉《おちば》したる木立《こだち》の幹に
海の反射淡く残りぬ。
うら寒し、はるばる来《き》つる
アムステルダムの一夜《いちや》。
※[#「襾/(革+奇)、第4水準2−88−38]愁《きしう》
知らざりしかな、昨日《きのふ》まで、
わが悲《かなし》みをわが物と。
あまりに君にかかはりて。
君の笑《ゑ》む日をまのあたり
巴里《パリイ》の街に見る我《わ》れの
あはれ何《なに》とて寂《さび》しき
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