ラタアヌは
汗と塵埃《ほこり》と※[#「執/れっか」、254−下−7]《ねつ》を洗はれて、
その喜びに手を振り、
頭《かしら》を返し踊るもあり。

カツフエのテラスに花咲く
万寿菊《まんじゆぎく》と薔薇《ばら》は
斜《はす》に吹く涼風《すゞかぜ》の拍子に乗りて
そぞろがはしく
ワルツを舞はんとするもあり。

猶《なほ》、そのいみじき
灌奠《ラバシヨン》の余沫《よまつ》は
枝より、屋根より、
はらはらと降らせぬ、
水晶の粒を、
銀の粒を、真珠の粒を。

驟雨《オラアジユ》は過ぎ行《ゆ》く、
爽《さわ》やかに、こころよく。
それを見送るは
祭の列の如《ごと》く楽し。

わがある七《しち》階の家《いへ》も、
わが住む三階の窓より見ゆる
近き四方《しはう》の家家《いへいへ》も、
窓毎《まどごと》に光を受けし人の顔、
顔毎《かほごと》に朱《しゆ》の笑《ゑ》まひ……


    巴里の一夜

テアトル・フランセエズ[#「フランセエズ」は底本では「フランセエエ」]の二階目の、
紅《あか》い天鵞絨《びろうど》を張りつめた
看棚《ロオジユ》の中に唯《た》だ二人《ふたり》
君と並べば、いそいそと
跳《をど
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